バーコードとQRコード(なんでもインフォ)
なんでもインフォ2023年05月号 画像クリックで原稿PDFをご覧いただけます
はじめに
皆さん”バーコード”や”QRコード”をご存知でしょうか。
例えばレジ打ちの際にバーコードを読み取ったり、ポスターのQRコードを読み込んでみたりと、生活していくうえで誰しもが一度は使ったことがあるかと思います。弊社でもサイトへの案内にQRコードを使用しています。今回は、そんなバーコードとQRコードのそれぞれの特徴や違いについて説明していきます。
バーコードとは
バーコードとは一次元コードの一種で、太さの違う複数本の 棒で構成されており、専用の機械で棒の太さや配置を読み取ることで情報を取得できるようになっています。棒(バー)で構成されたコードなので”バーコード”というわけです。
このバーコードですが、実は棒の長さは特に読み込む内容に影響していません。読み取っているのは棒の太さや配置であり、長さは読み取りやすくするために範囲を広げているだけなので、1cmでも5cmでも、上下に何かが描かれていても読み込む内容には影響しません。
しかし逆に、棒の両脇に何かが描かれてしまうとバーコードは読み取ることができなくなります。これは、クワイエットゾーンと呼ばれる両脇の空白も、バーコードの一部であるためです。この空白によってどこまでがバーコードなのかを判別しているので、レジなどでバーコードが上手く読み取れない時はここが隠れていないかを意識してみるとよいかと思います。
QRコードとは
QRコードとは、日本のデンソーウェーブ社が開発した二次元コードのことです。基本的に白黒なのはバーコードと同様ですが、こちらは棒ではなく複雑な模様で構成されています。
QRコードの最大の特徴として、切り出しシンボルと呼ばれる3つの四角があります。この切り出しシンボルがあることによって、この図がQRコードであること、QRコードの向きや位置、範囲を判別しています。
また、QRコードには一部分が光の加減や汚れなどで読み取れなかった部分の情報を周辺の模様の情報から補完して読み取ることができる機能が備わっています。
他の二次元コードとは一線を画す勢いで普及しているQRコードですが、ここまで世界的に使用されているのには理由があります。それが、開発元であるデンソーウェーブ社が仕様を一般公開し特許をフリーにしたことです。本来、新たに発明し特許を取得した物は開発者の独占的な使用や、他者から使用料を取ることができますが、デンソーウェーブ社はQRコードに対してこれらの独占や使用料の徴収を行わず、誰でも使用できるようにしました。これにより世の中にQRコードが普及していったのです。
バーコードとQRコードの違い
似たようなものとして見られがちなバーコードとQRコードですが、比べてみると違う点がたくさんあります。その中でも特徴的なものについてまとめてみました。
まず1つ目として、バーコードは一次元コード、QRコードは二次元コードという違いがあります。前述の通り、バーコードは棒の太さや配置(横方向)が情報を持っていますが長さ(縦)には情報がありません。QRコードは縦横両方に情報を持っています。
2つ目の違いとして、扱える情報量の違いがあります。バーコードとQRコードだとQRコードのほうが圧倒的に多くの情報量を扱うことができるのですが、これは一次元コードと二次元コードの違いによるものです。一次元である線と、二次元である面、どちらの面積が大きい=情報をたくさん書き込めるか考えると、差をイメージしやすいかと思います。
また、3つ目として読み取りやすさの違いがあります。読み取る際、バーコードは専用の機械が必要ですが、QRコードはスマホのカメラなどで簡単に読み取ることができます。
電子決済にバーコード決済とQRコード決済があるのにはここが少し関わってきます。バーコード決済を導入する際、コンビニなど既にバーコードを読み取る装置がある場合はすぐに導入することができますが、個人商店などのバーコード読み取り装置を置いていない場所だと読み取り装置を設置するところから始めないといけません。その点QRコード決済だと読み取り用のQRコードを用意するだけで済み、簡単に電子決済を導入することができます。
おわりに
バーコードとQRコード、似ているようですが意外と違いや特徴があります。これらの特性について理解した上で、どんな場所に使われているか見てみると面白いのではないでしょうか。