なんでもインフォ(流域治水デジタルテストベッド)

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なんでもインフォ2025.03
1 はじめに
近年、わが国の治水対策は、気候変動による水災害の激甚化・頻発化等に伴い、役割分担を明確化した管理者主体のハード対策や河川区域や集水域において対策を実施する従来の治水対策から、集水域から氾濫域にわたる流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う「流域治水」へ転換が図られています。これに伴い、国総研では、「流域治水デジタルテストベッド」をという新しいシステムを整備中です。
今回は、この「流域治水デジタルテストベッド」について取り上げたいと思います。
2 流域治水デジタルテストベッドとは?
整備の目的/背景
気候変動による水災害の激甚化・頻発化等を踏まえ、広大な流域で流域治水を進めるためには、多様な関係者間での合意形成や事前の防災体制の構築が必要です。
3 モデル河川「山国川」での試行
現場の意見を早期に取り入れ、実用的なテストベッドの整備を目指すため、福岡県と大分県を流れる山国川水系をモデル水系として、試行し、実際に流域治水協議会や災害時の児童避難等を検討している大分県中津市立沖代小学校児童クラブの関係者に対して、3次元可視化ビューアを用いて説明を行っています。
試行のデモ動画がYouTubeまたは国総研の流域治水デジタルテストベットWEBページで公開されています。
4 おわりに
「流域治水デジタルテストベッド」の整備によって、水害のリスクや対策効果が3次元で確認できるようになることで、地元の方々はより身近に水害リスクを考えられ、関係者はより具体的な対策を考えられるようになり、流域治水の推進がより加速することを期待しています。