アスファルト舗装とコンクリート舗装(なんでもインフォ)
原稿は上記リンクから参照できます。(以下は抜粋版です)
1. はじめに
皆さんが利用されている道路や駐車場などの舗装は、アスファルト舗装とコンクリート舗装に分類されます。日本の道路全体の約 80%をアスファルト舗装が占めており、コンクリート舗装は全体の約5%となっています。今月のなんでもインフォでは、アスファルト舗装とコンクリート舗装にはどのような違いがあるのか、それぞれのメリット・デメリットについても説明していきたいと思います。
2. アスファルト舗装とコンクリート舗装の見分け方
前項では、舗装はアスファルト舗装とコンクリート舗装に分類されると述べました。では、皆さんが普段利用されている道路や駐車場が、どちらの舗装に分類されるか見分けられるでしょうか。
アスファルト舗装とコンクリート舗装は、色に違いがあります。アスファルト舗装は黒に近い灰色、コンクリート舗装は白に近い灰色です。色の違いから、アスファルト舗装を「黒舗装」、コンクリート舗装を「白舗装」と呼ぶこともあります。
3. 舗装種別毎の特徴(メリット・デメリット)
(1)アスファルト舗装
表-1 アスファルト舗装の特徴
アスファルト舗装は、施工費用が安く、施工期間が短いことから、道路や駐車場などに多く用いられています。また、コンクリート舗装と比較して騒音・振動が小さいことや排水性に優れることから、住宅地などを通過する道路ではアスファルト舗装が多く用いられています。
コンクリート舗装は、アスファルト舗装と比較して耐久性に優れています。トラックやトレーラーなどの大型車の通行が多い道路や、高規格道路、補修工事が困難なトンネルの中などに多く用いられています。
4.舗装種別の選定
前項の通り、アスファルト舗装とコンクリート舗装にはそれぞれの特徴があり、道路特性に適した舗装が採用されています。
このようななかで、コンクリート舗装がアスファルト舗装と比較して、極端に少ない理由として、施工期間が長く、初期費用が高いことがあげられます。一方で、長期的な視点で見た場合、修繕回数が少ないコンクリート舗装のほうが、アスファルト舗装より費用を安く抑えられる場合があります。近年では、交通開放の早期化、騒音低減効果が期待される工法や技術が開発され、コンクリート舗装の積極的な採用が進められています。
5.舗装に関する取り組み
近年、2050 年カーボンニュートラルに向け、舗装においても脱炭素化への貢献が求められています。舗装の長寿命化を図ることで、大規模な修繕・更新を減らすことでCO2排出量の削減を目指しています。
また、電気自動車の普及拡大に向け、舗装内に埋め込まれた送電装置によって、走行中および停車中の電気自動車に自動的に給電される技術の開発も進んでいます。
<参考文献>
・コンクリート舗装ガイドブック2016(公益社団法人 日本道路協会)
・国土交通量 道路技術懇談会 配布資料
(https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/dourogijutsu/)