黄金山発電所 ~田瀬湖に眠る近代遺産~
なんでもインフォ 2020年8月号
黄金山発電所は、かつて和賀郡谷内村田瀬(現:花巻市東和町田瀬地区)にあった水力発電所で、1920年(大正9)に操業を開始しました。取水口から発電所までの約3.2kmを開渠と3本のトンネルで結び、25mの落差を利用して電業社製双輪横軸水車と芝浦製作所製発電機を回し、3,100kwの電力を発電していました。
当時、近隣の岩手軽便鉄道岩根橋駅付近にはカーバイド工場、合金精錬工場、製鉄所などが立ち並び、急速に工業化が進んでいた折、その旺盛な電力需要を満たすため、岩根橋発電所(1918年操業開始、出力1,760kw)に次いで猿ヶ石川に設けられたのが黄金山発電所でした。