「人間環境宣言」&「成長の限界」からの半世紀(なんでもインフォ)
◆はじめに
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)は2021年に第6次評価報告書を発表しています。第3次評価報告書からは、「気候変動(温暖化)の主原因が人間活動である可能性についての知見」が併記されています。
その変遷をみると、第3次(2001年)「その可能性が高い(66%以上)」、第4次(2007年)「可能性が非常に高い(90%以上)」、第5次(2013年)可能性が極めて高い(95%以上)」、そして第6次評価報告書では「疑う余地がない」とされました。1、2)
そこで今回は、気候変動への警鐘が鳴らされてからの半世紀余を振り返り、2050年カーボンニュートラル実現に向けた各自の取組みを考える機会にしたいと思います。
◆地球環境対応、この半世紀の歩み
◆IPCCとCOP
COPは1992年ブラジル・リオデジャネイロでの「国連環境開発会議(地球サミット)」で結ばれた「気候変動枠組条約」の締約国会議(Conference of the Parties、毎年開催)。
一方、IPCCはCOP等の国連会議や各国政府などの意思決定における重要な判断材料を提供しています。
◆環境問題への警鐘のはじまり
地球環境問題への警鐘の始まりは約半世紀前に遡ります。それは、1972年のストックホルム国連人間環境会議での「人間環境宣言」の採択、そして同年のローマクラブによる「成長の限界」の発表です。
ただし、12年後の1984年ブルントラント委員会からの報告書「われらの未来(Our Common Future)」において『持続可能な開発(Sustainable Development)』の概念が打ち出されるまでの動きは緩慢でした。
◆世界平均気温上昇抑制の目標値
2015年COP21で採択された「パリ協定」により、『世界共通の長期目標として2℃目標を設定、1.5℃に抑える努力を追求する』とされました。 そして、2021年COP26で「グラスゴー合意」が採択され、2100年の世界平均気温の上昇を産業革命以前の1.5℃以内に抑える』とされ、1.5℃はパリ協定の努力目標から目標値になりました。
◆MDGsとSDGs
MDGs(Millennium Development Goals)は、2009年9月開催の国連ミレニアム・サミットでまとめられた、2015年を目標とする開発途上国の課題解決に焦点を当てた計画です。
対し、SDGs(Sustainable ・・・)は、2015年9月開催の国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核を成すもので、開発途上国のみならず先進国の抱える課題の解決も目指すもの(~2030年)。
◆おわりに
地球環境を守ることは、我々ひとり一人の日々の行動にかかっていることを意識して、未来世代のニーズを損なわないよう取組みましょう。
〈参考とした主な資料〉
1)気象庁ホームページ
2)池原庸介:最新カーボンニュートラルの基本と動向がよ~くわかる本,秀和システム,2022.2.14
3)各種資料から本号作成者が独自に整理