なんでもインフォ(道路土工構造物技術基準の改定)
〇はじめに
新春のお喜びを申し上げます。
今年も旧年同様よろしくお願いいたします。
本年が皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます。
さて本年2026年は、昨年改定された「道路土工構造物技術基準」、「道路橋示方書」が4月1日以降に適用される年です。上記基準・示方書の改定は、近年の大規模災害を踏まえ、道路を「壊れない構造物」から「災害時にも機能を確保・回復できるインフラ」として設計するため、「仕様規定」よりも「性能規定」を充実させることを目的として改定されました。
そこで今回のインフォでは、「道路土工構造物技術基準の改定(性能規定化)」について整理していきます。
〇「仕様規定」と「性能規定」の違い
「仕様規定」は材料、寸法、構造形式、施工方法などを具体的に指定する決められた形で作る設計であることに対して「性能規定」とは、構造物の目的とそれに適合する機能を規定し、必要な機能・安全性を満たすことを確認する設計です。近年、災害対応力や柔軟な設計を可能にする性能規定型が主流となってきています。
〇道路土工構造物技術基準改定の背景
令和6年能登半島地震では、沢埋め高盛土などでの大規模崩壊や大規模な地すべり・斜面崩壊等により道路の交通機能の途絶が多発しました。災害後も道路機能を確保する観点から、性能規定の充実を図るため、今回の改定に至った経緯があります。
今回の改定により、地盤等のリスク低減による手戻りやコスト増の緩和、盛土等における適切な排水対応 および 各構造物の限界状態を踏まえた、より復旧性の高い設計や補修が可能となることなどが期待されます。
〇道路土工構造物技術基準改定のポイント
(1) 設計初期段階における配慮事項の明確化
道路土工構造物の計画・設計段階での配慮事項(地形・地質・地域の防災計画等)を明確化し、道路機能確保のための構造配置や工法選定を設計初期から体系的に考えることが求められます。
(2) 地質及び地盤等の不確実性への対応の明確化
土工系構造物は地盤条件や地下水、地質変化などの不確実性が大きいことから、リスク低減策を設計段階から計画することが求められます。
(3) 排水対策の明確化
令和6年能登半島地震の被害を踏まえ、原則として表面排水施設および地下排水施設を設置し、適切に水を排除できる工法とすることが明確化されました。
(4) 性能規定の具体化
道路機能確保の観点から、要求される性能に応じた限界状態(例えば変形量・安定性)を、構造物ごと・組合せごとにきめ細かく設定し、原則として設計段階でその限界状態を超えないことを照査する(性能照査の方法)ことが規定されました。
〇おわりに
道路土工性能規定化により、今後設計の自由度が高まることが期待されるため、新技術の活用や多方向からの検討により技術力の向上を目指していければと思います。



