凍結防止剤(なんでもインフォ)

なんでもインフォ

なんでもインフォ2024年01月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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■ はじめに
積雪寒冷地において冬期の道路機能を維持するために必須となっている凍結防止剤。あの白く小さな球状のものが、どのようにして道路の凍結を防止しているのか気になりました。
そこで今回は凍結防止剤について取り上げます。
■ 背景
1962 年にスパイクタイヤの生産が開始された後、1980 年代からスパイクタイヤによって削られた路面から発生した粉じんが環境問題となりました。その後、1990 年に「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が施行され、1991年にはスパイクタイヤの販売が中止となって以降、凍結防止剤は必要不可欠なものとなりました(脚注※1)。
■ 凍結防止剤の特性
凍結防止剤(塩化ナトリウム(以下、NaCl)や塩化カルシウム(以下、CaCl2)など)の散布は、気温の低下に伴う路面の積雪や水分の凍結を防止することを目的に実施されており、これによる凍結防止の効果は凍結防止剤の凝固点降下と氷の融解作用によるものです。
凝固点降下とは凍結防止剤を散布して路上水分をある濃度の水溶液にすると、単なる水より低い結氷点(凝固点)が得られることです。ここでCaCl2の凍結防止剤は凝固点が低く、厳寒地でも使用できますが、一般の寒冷地ではNaCl の方が持続性が高く、利便性に優れていると言えます(表1)。また、NaCl と CaCl2 の融解作用を比較すると NaClは持続性が高く、CaCl2 は速効性が高い傾向にあります(表2)。

■ 凍結防止剤の散布形態別の特徴
凍結防止剤の散布方法には固形の凍結防止剤のまま散布する固形剤散布と凍結防止剤を水に溶かして溶液として散布する溶液散布、固形剤を散布する際に溶液を混合する湿式散布といった方法があります(表3,図1)。

①固形剤散布:散布量を自動的に調整し、散布幅も運転席から調整できます。溶液散布に比べ、持続性に優れます。
②溶液散布:緊急で速効性を必要とされる場合や風による飛散が予想される場合に効果的です。
③湿式散布:散布直前に固形剤と溶液を混合して散布します。最も一般的な方法で、国道や高速道路で多く用いられています。

■ おわりに
凍結防止剤は交通安全確保のために散布されています。それに加え、運転する際は車間距離を十分に確保する、「急」のつく運転は避けるなど慎重な運転を心掛け、交通事故が無い一年としましょう。
<出典>
(※1)「日本のタイヤ産業 2023」(一社)日本自動車タイヤ協会
https://www.jatma.or.jp/docs/publications/tioj-j23.pdf
(※2)「凍結防止剤散布と沿道環境」(国土技術政策総合研究所)
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0412.htm
(2023年12月25日に利用)

以上

 

 

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