建築限界について(なんでもインフォ)
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はじめに
道路上には電線や標識、信号など様々な施設が設置されています。これらの設置位置や高さは、建築限界の規定によって制限されます。建築限界とは道路上で車両や歩行者の交通の安全を確保するために、ある一定の幅、一定の高さの範囲内に障害となるようなものを置いてはいけないという空間確保の限界を定めたものです。今回のなんでもインフォは建築限界ついて説明したいと思います。
建築限界の範囲
車道の建築限界
車道の建築限界は、重要物流道路である普通道路で高さ4.8m(40ft背高セミトレーラ連結車の高さ4.1m+余裕高)、その他の普通道路で4.5m(セミトレーラ連結車の高さ3.8m+余裕高)、小型道路で3.0mの高さが規定されています。
幅については、車道に接続する路肩幅員を含めますが、路肩端の高さは重要物流道路である普通道路で高さ4.1m、その他の普通道路で3.8mとなります。
分離帯又は交通島に係る部分の建築限界
分離帯に係る建築限界は、中央帯及び側帯の幅員や、右側路肩の幅員を満足するように、道路の区分に応じて規定されています。交通島は一般道に設置されることから、分離帯の第3種および第4種と同じ幅員が規定されています。
歩道および自転車道等の建築限界
歩道および自転車道または自転車歩行者道の建築限界は2.5m(人が自転車に乗車した時の高さ2.25m+余裕高)の高さが規定されています。幅については、歩道および自転車道等の幅員から路上施設を設けるのに必要な幅を除いた幅員になります。
道路付属物設置時の留意点
視線誘導標や標識などを設置する場合は建築限界を考慮し、適切な位置に設置する必要があります。また、樹木などが成長し、道路や歩道側に張り出した場合も建築限界を侵すことになるため、剪定により建築限界を確保することが必要になります。
おわりに
道路を新設した時には建築限界を確保しても、後から設置される施設が建築限界を侵すこともあります。道路の建築限界は車両や歩行者が安全に通行するために確保する空間でありますので、維持管理を行う際は建築限界にも注意する必要があります。
参考とした主な資料
公社)日本道路協会:道路構造令の解説と運用、丸善出版、令和3年3月