線状降水帯(なんでもインフォ)
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なんでもインフォ2022年09月号 線状降水帯
- はじめに
近年、天気予報などで「線状降水帯」という言葉を耳にする機会が増えてきました。「線状降水帯」が原因による甚大な災害も増えてきています。今回は、「線状降水帯」について紹介したいと思います。
- 線状降水帯とは
線状降水帯についての厳密な定義は無いようですが、気象庁では「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することでつくりだされる、線状に延びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」としています。
- いつから注目されるようになったの?
線状降水帯は、2014年(平成26年)8月の集中豪雨による広島市の土砂災害から、この用語が用いられるようになったと言われています。
実際には、気象庁で過去の集中豪雨事例を解析したところ、それ以前にも線状降水帯の事例が数多く確認されているようです(1995年から2009年の台風によるもの以外の集中豪雨の約3分の2が線状降水帯によるもの)。
- 発生メカニズム
線状降水帯の発生メカニズムは、解明しきれていないようですが、これまでの観測データの分析や研究で、以下の4条件が発生要因と考えられています。
①積乱雲の発生要因となる大量の暖かく湿った空気が継続的に流入する
②局地的な前線や地形などの影響で空気が持ち上がり雲が発生する
③大気の成層状態が不安定で積乱雲が発達する
④上空の一定方向の強い風の影響で個々の積乱雲が風下に流され線状に並ぶ
などです、詳しくは原稿をご覧ください。