生物多様性に配慮した落差工の設計
戸呂町川は、急峻な山地河川であるため、落差工8基によって河床勾配の緩和(安定)、魚類生息環境への配慮として採用した緩傾斜型落差工による多段式斜路構造の試験施工への取り組みについて紹介するものです。本河川にはヤマメ、イワナ等の魚類の生息が見られ、これらの遡上に配慮した斜路構造として、
- 緩傾斜勾配1/10以下とした水叩部の全面に自然石を配置
- その自然石張の配置パターンに変化を持たせた多段構造
- 垂直壁下流部への滞留部設置
以上三つについて計画しました。
技術的特長
特徴は,自然石径φ300mmを使用した自然石張による多段式斜路構造です。
左の写真は,その中の一例です。流水が中央部を流れる様に切り欠きを設け、左右に魚類の休息場所としてプールを設けた方法です。
本試験施工への取り組みについては、画一的な流況に変化をもたせることで、水量が比較的少ない場合でも、魚類等の遡上効果が期待でき豊かな自然の流れを創出することができました。